部屋探しの合間にオクトーバーフェストの高揚を感じたこと
ミュンヘンはドイツ南部地方にある大都市だ。
スイス、オーストリア、イタリア方面にむかい、オクトーバーフェストの開催地でもある。ドイツ人・オクトーバーフェストでググれば絵に描いたようなドイツ人の写真が沢山出てくる。
私はドイツ人をとても尊敬している。2014年ワールドカップでの衝撃は今でも忘れない。まるでテレビゲームのように足にボールがすいつき、ポンポンと点をとってしまうブラジル戦は非現実的に強かった。
これまでお会いした数少ないドイツの方々はみなスマートで、赤信号はちゃんとと立ち止まり、乳母車を母親を快く助けてくれるジェントル(ウー)マンであった。
そんな素敵なドイツ人への私のイメージはこうだ。
上は赤か緑のチェックのシャツ。下はレダーホーゼン(茶色いズボンと両肩に肩掛けバンドを施したもの)。とんがり帽子にビールとシュプレッチェルを持ちながら
「ゲッツェ1!!シャイセ2!!シャイセ!!シャイセ!!ゲッツェ!!ゲッツェ!!」
と言っている。
オクトーバーフェストに行けばそんなドイツ人的ドイツ人に沢山会える。開催セレモニーは年齢を問わずこれから楽しいアトラクションや食べ物、そしてたっぷりのビールを前に美しい輝きを目に秘めた人であふれかえっている。
部屋探しの為、運よく開催初日に私もミュンヘンにいた。セキュリティのため多少の荷物制限はあるものの、会場内はビールや食べ物は自由に飲み食いすることが出来た。特に会場内に設置されたテント内の盛り上がりは凄い。会場中央にあるオーケストラの演奏に沿って酔い者たちの大合唱。一般人がテーブルの確保するには1年は要するらしい。しぶしぶ外に出ることにした。
雨が降っているので室内遊びのグルグル回転に入ってみた。
回転する黒いボードに乗り、最後まで残った人が勝ち。音楽に合わせ回転が遅くなったり早くなったり。途中には二人の仕掛け人がロープで足を引っかける。頭上からカボチャのようなぬいぐるみが振り子のように触れ、参加者の頭を直撃していた。
せっかくだから男性グループに参加してみた。開始直前、屈強な男性たちとがっちり組合い、高校生騎馬戦以来の団結感と高揚感を感じる。ついぞ体育祭ではなしえなかった晴れ舞台を皆でこの手にしようではないか。
しかし、嗚呼、悲しい哉。回転が強まり一人、また一人と振り落されそうになると我こそは勝者たらんとするものによって蹴飛ばされてしまった。
私も例外なく開始10秒もせずリング外へと弾き飛ばされた。
この世はやはりゼロサムゲームであると気付いた瞬間だった。
それでも4ユーロで十分に楽しめた。シンプルな遊びだけど、みんなで酔っぱらっていればこれくらいでもすごく楽しい。途中、5、6歳のこどもたちのフラフープショーが開かれたり。次の20,30代のフラフープの部では固くなった体にフラフープの回転が追いつかず、これから迫りくる老いを感じさせてくれたり。数時間いても飽きなかった。
下のアトラクションはグルグルと中のルーム全体が周ることで、さらに酔いを深めてくれる。泥酔した若者に大人気である。
次来るときにはこのアトラクションで盛大に酔いを深めたい。
追記–それから– その後、数年が経った。私も年季を重ね。いっぱしのオクトーバータリアンになったと言えるだろう。以下に、過去に起きた特筆すべきことを書きタリアン。
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香川真司 トイレに行った際、隣の男が私をみるや”香川 真司!!”香川 真司!!”と腕を振り上げながらこちらに体を向けて絶叫してきた。と共に彼の放尿はきれいな放物線を描いて、数少ない私の手持ちのジーンズをきれいに彩った。彼は酔いがさめたのか、事の出来事と自身に引いていた。引きたいのはこっちだ。
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猫のから揚げ フェスの帰りがてら。電車の相席にて、ポテトチップス食べるかと聞かれた。酔いがひどく回っていたので、断ると、「そうだよな、中国人は猫のから揚げしか食べないもんな」と独り言ちていた。なんだその海辺のカフカにでも出てきそうなそのセリフは。
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