デュッセルドルフで蒸し焼きになったこと

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Reinmeer

ドイツにはあまりクーラーがない。

少なくともデュッセルドルフの多くの場所、そして郊外の仮住まいしている友人の部屋にはクーラーがない。

昨年の極寒クリスマスマーケットを体験した私は新品のヒートテックと履き心地抜群のインナーパンツを抱え、夏の終わりの8月下旬にデュッセルドルフにやってきた。

その日の気温は30度。日本から抱え込んだフードをカバンに投げ込み、すぐにバスケットパンツに履き替える。日本に比べ湿気が低く、直射日光はレーザービームを当てつけられたようにヒリヒリと痛い。

そしてここにはクーラーがない。

電車やバスは戸を開け、ご老人が顔を真っ赤にしている。カフェやハンバーガー屋さんにはクーラーがあるのだろうか。気温が若干、低い。注文したアイスコーヒーやコーラはすぐに汗となって体全体から噴き出していく。町のあちらこちらでアイスクリームをペロペロとなめている。

夜になっても暑さは衰えず。窓や戸を開け、風通しを良くすれば、美味しい血臭に誘われて沢山の蚊が沢山の腫れものを与えてくれる。

故に夜は部屋も暗い。パソコンの光が一層強く、こちらに来てから視力が若干落ちたようにも感じる。

故に昼間はパソコンを開き、できうる限り作業を進める。昼間になるにつれてカーテンの隙間から太陽の光が差し込む。シャツを捨て、パンツを脱ぎ捨て、新しい氷を絶え間なく冷やしていく。

リビングに漏れる光線から逃れ、ふろ場のタイルに頬を当てる。片頭痛を感じたところで、クーラー避難場所をしのげる場所を近辺で探してみた。

今日のインターネットは同じような問題に解決策を見つけ、そしてネット上にとてもわかりやすく情報を載せてくれる良心家が沢山いらっしゃる。そんな方々のおかげで避難場所を見つけた。

クーラーが程良く通り、そして何よりも空間が鮮やかで小奇麗だ。開館時間に難あるもののインターネットが通り、無料でとてもきれいなトイレのある図書館。お腹の弱いインターネット難民の私にとって絶好の居眠り場所となった。

Deutsch

海を越え、イスタンブールを越える。椅子の形、本棚の形、屋根の形、窓の形、丸みや角張を帯びる模様がやや日本と違う。ここの図書館はオレンジを基調とした幾何学的な形が連なっていた。四角いオレンジがあってもいいんじゃないかと思っていたら眠りに落ちていた。

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